
こんにちは。寺子屋ゆず教室長、言語聴覚士の西村千織です。
読書が苦手なお子さんに対して、「練習不足」「集中力の問題」と考えてしまうことはありませんか?実は、それが学習障害の一種である【読み障害(ディスレクシア)】である可能性があります。
今回は、ディスレクシアの概要や特徴、具体的な支援方法についてわかりやすく解説します。
読み障害の特徴
読みのスピードが遅い
読み障害のあるお子さんは、同年代の子どもと比べて読みのスピードが著しく遅いことがあります。
一文字ずつ丁寧に読もうとするため、文章全体の意味を理解するのが難しくなることもあります。
読んだ内容の理解が難しい
文字を読めても、内容を理解するのが難しいケースが多いです。
例えば、「歩きすぎて足が棒になった」という短文を読んでも、その内容を正確にイメージできないことがあります。
読み書きの混乱
「さ」と「ち」、「た」と「て」など、似た形の文字を間違えることが頻繁に起こります。
また、単語の一部を抜かしたり、順序を入れ替えたりすることもあります。
なぜ読み障害が起きるのか?
読み障害の主な原因は、脳の働きに関係しています。特に、言語情報を処理する領域での機能不全が原因とされています。
また、以下のような要因が関与することがあります。
・遺伝的な影響:一部の研究では、遺伝的に発生しやすいことが示唆されています(ただし結論付けられてはいません)。
・併存障害:ADHDやLD(学習障害)など、他の障害と併存する場合も少なくありません。
読み障害を抱える子どもをサポートするコツ
学習環境の整備
読み障害のあるお子さんには、まず学習環境を整えることが大切です。
例えば、文字の大きさを変えたり、視認性の高いフォントを使用したりすることで、読みやすさが向上します。背景色を変更してコントラストを調整するのも有効です。
指導方法の工夫
音韻意識(音と文字の対応)を高めるトレーニングが効果的です。
例えば、単語を分解して音節ごとに発音する練習を取り入れると、文字と音の結びつきが強化されます。また、絵や図解を使って視覚的に情報を補完することで、理解を促しやすくなります。
ツールやテクノロジーの活用
近年では、テクノロジーを活用した支援が注目されています。
読み上げソフトやタブレット端末を活用すると、文字を音声で確認できるため、読みの負担を軽減できます。特にデジタル辞書や専用アプリは、お子さんが楽しみながら学べる工夫がされています。
保護者の方に知ってほしいこと
読み障害を抱えるお子さんに接する際に、最も大切なのは「子どもの努力不足を責めない」ことです。
例えば、練習を強要すると、かえって学習への意欲を失う可能性があります。
逆に、子どもの得意な分野や好きなことを見つけて、それを軸に学びを進めることで成功体験を増やすことができます。
おわりに
読み障害(ディスレクシア)は、適切な支援を受けることで子どもの可能性を広げることができます。
大切なのは、親や指導者、専門家が連携して子どもの成長を支えることです。
寺子屋ゆずでは、ディスレクシアのみならず、様々な学習障害のあるお子さんも一人ひとりの課題を正しく評価し、お子さんの課題に合った学習指導を行っています。
読み書きなどに難しさがあるなど、気になることがあれば、体験授業の中でご相談ください。