算数で「どっちをどっちで割るの?」となる子|計算ではなく意味理解から考える

「計算問題ならできるのに、文章題になると急に分からなくなる」「わり算になると、『どっちをどっちで割るの?』と毎回聞いてくる」。こうした算数のつまずきは、決して珍しいものではありません。

保護者の方からすると、「わり算のやり方を忘れているのかな」「もっと計算練習をした方がいいのかな」と考えるかもしれません。

もちろん、計算方法そのものが定着していない場合もあります。


しかし、計算はできているのに文章題になると分からない場合、計算ではなく「その式が何を意味しているのか」という理解でつまずいている可能性があります。

今回は、「どっちをどっちで割るの?」となる子どものつまずきを、意味理解という視点から考えてみます。

「計算できる」と「わり算が分かる」は違います

例えば、

12÷3=4

という計算なら、すぐに答えられる子がいます。


では、次の問題はどうでしょうか。

「12個のお菓子を3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何個でしょう?」


式は同じく、12÷3=4、です。

ところが、計算では答えられても、文章題になると「12÷3?」「3÷12?」と迷う子がいます。


この場合、難しいのは計算そのものではありません。

文章に書かれた場面から、「全部で12個あるものを3人に分ける」という数の関係を捉え、式にするところです。


つまり、計算ができることと、その計算の意味が分かっていることは別なのです。

こんな様子はありませんか?

例えば、算数で次のような様子が見られることがあります。

  • 「大きい数を小さい数で割ればいい?」と聞く
  • 「これは、かけ算? わり算?」と毎回確認する
  • 計算問題はできるのに文章題になると止まる
  • 単位量あたりや割合になると分からなくなる
  • 公式を覚えても、問題が少し変わると使えない

こうした場合、「算数が苦手」とまとめてしまうのではなく、どこで分からなくなっているのかを見ていく必要があります。

なぜ、何度教えても「どっちで割るの?」となるのか

「どっちをどっちで割るの?」と聞かれると、「こっちをこっちで割るんだよ」と教えれば、その問題は解けるかもしれません。

しかし、それだけでは問題が変わると、また分からなくなることがあります。


例えば、

「12個のお菓子を3人で同じ数ずつ分けます。1人何個?」

と、

「12個のお菓子を1人3個ずつ配ります。何人に配れる?」

は、どちらも12÷3=4です。

しかし、前者は「1人分」を求め、後者は「何人分あるか」を求めています。


だからこそ、「この数字をこの数字で割る」と手順だけを覚えるのではなく、問題の中で何が起きていて、何を求めているのかを理解することが必要になります。

「割る数・割られる数」より先に、場面を理解する

こうした子どもには、いきなり「割る数」「割られる数」という言葉から説明しても分かりにくいことがあります。

「全部でいくつある?」

「何人で分けるの?」

「知りたいのは1人分? それとも何人分?」

このように、まず問題の場面を整理します。必要であれば○を書いたり、実際に分けたりして考えます。


文章 → 場面 → 図や具体物 → 数の関係 → 式

文章からいきなり式へ進むことが難しい子には、この間を丁寧につないでいくことが大切です。

高学年の「割合」のつまずきにもつながります

「どっちをどっちで割るの?」という困りごとは、わり算だけで終わるとは限りません。

例えば、

「600円で3個買いました。1個あたりはいくら?」

「12mは3mの何倍?」

「40人のうち10人は全体の何%?」

こうした問題でも、数と数の関係を考えなければなりません。


そのため、小学校高学年になって「単位量あたり」「割合」「百分率」で急につまずきが目立ってくることがあります。

割合の公式を覚えても、「どの数字をどこに入れるの?」となるのであれば、割合だけを繰り返し練習するのではなく、もっと前の数の理解まで戻って確認した方がよい場合があります。

今の学年の問題を繰り返すだけではない

例えば中学生が割合で困っていたとしても、必要なのが中学生の問題集とは限りません。

「1つ分」の意味は分かっているか、小数や分数を量として捉えられているか、「何倍」の意味は理解できているか、文章から何を求めるのか読み取れているか。


こうした土台に曖昧さがあれば、現在の学年の問題を繰り返しても、なかなか理解につながらないことがあります。

大切なのは、「今どの単元を勉強しているか」だけではなく、「どこから分からなくなっているのか」を見つけることです。

寺子屋ゆずでは「どこでつまずいているのか」から考えます

寺子屋ゆずでは、単に学校の進度に合わせて問題を解いていくだけではなく、その子がどこでつまずいているのかを見ていきます。

文章を読むところが難しいのか、数量の関係を捉えるところなのか、小数や分数など以前の学習に曖昧さがあるのか。あるいは、文章だけでは難しくても、図にすると理解できるのか。


実際に問題に取り組む様子を見ながら、「できる・できない」だけでなく、「どう考えているのか」を確認します。そして必要であれば、現在の学年より前まで戻り、その子が理解できているところから学習を組み立て直します。

「算数が苦手」で終わらせないために

同じ「算数が苦手」に見えても、つまずいている場所は一人ひとり違います。

だからこそ、できない問題を繰り返す前に、なぜできないのかを考えることが大切です。


子どもの「どっちをどっちで割るの?」という言葉も、その子の理解の状態を知る大切なヒントになります。

どこまで分かっていて、どこから分からなくなっているのか。

寺子屋ゆずでは、そこから学習支援を考えています。

算数や文章題のつまずきについてご相談ください

「計算はできるのに文章題になると分からない」「割合や単位量あたりで急につまずいた」「何度教えても同じところで分からなくなる」といった学習の困りごとがある場合は、一度、その子がどこでつまずいているのかを整理してみることも大切です。


寺子屋ゆずでは、お子さんが実際に問題に取り組む様子を見ながら現在の理解を確認し、その子に合った学習の進め方を考えていきます。

「うちの子は、どこでつまずいているんだろう?」と感じられた方は、寺子屋ゆずまでご相談ください。