【理学療法士監修】子どもが勉強に集中できない理由とは?体幹の低緊張が影響しているかも

こんにちは。こども発達LABO.理学療法士の西村猛(にしむらたけし)です。

普段はYouTubeや発達支援ゆずのブログ・子どもと姿勢研究所のブログなどで、療育に関すること・姿勢や運動発達に関することなどを書いていますが、今後寺子屋ゆずのブログでも、運動発達と学習の関係性などについてもご紹介していくことになりました。

どうぞよろしくお願いします!

さて、今回の本題です。

勉強机に長時間向かえない、すぐに席を立ってしまうお悩み

勉強机に長時間向かえない、すぐに席を立ってしまう(離席)というお悩みを持っておられる方も多いと思います。

特に学校においては、40分以上じっと椅子に座ることが求められ、離席してしまうお子さんに対して「集中できない」「我慢ができない」「やる気がない」などと言われてしまい、自分に自信を無くしてしまったお子さんもおられるのではないでしょうか。

こういった課題に直面した際、つい「頑張らせないと」と気負ってしまい、お子さんに口酸っぱく言って聞かせたりすることがあるかもしれません。

しかし、実はその「じっと座っていられない」原因のひとつとして、「体幹の低緊張」が関係している可能性があります。

体幹の低緊張とは?

体幹の低緊張とは、姿勢を支えるための筋肉(特に腹筋や背筋など)が弱く、無意識に体を安定させることが難しい状態を指します。この状態では、長時間同じ姿勢を維持することが難しく、疲れやすいため、無意識のうちに姿勢を崩したり、頻繁に動いてしまうことがあります。

例えば、

  • 机に向かっていても、すぐに体を支えるのが疲れてしまう
  • 椅子に座っていても、寄りかかったり、ふにゃっとした姿勢になってしまう
  • 立っているときに、すぐに片足立ちになったり、どこかに寄りかかろうとする
  • 階段の昇り降りが苦手で、手すりをつかまらないとバランスがとれない
  • 長時間歩くと、すぐに疲れやすくなる

このような特徴が見られる場合は、体幹の低緊張が関係している可能性が高いです。

体幹の低緊張が学習に与える影響

体幹が弱いと、じっと座り続けるだけで多くのエネルギーを消費します。その結果、

  • 授業中、姿勢を維持することにエネルギーを使いすぎて、内容に集中できない
  • すぐに疲れてしまい、気づけば離席してしまう
  • 体が不安定なため、筆圧が弱く字を書くことが苦手になる
  • ノートをとる際に、手の動きがぎこちなく、文字を書くのに時間がかかる
  • 学校の体育で体の動きに苦労し、苦手意識が強くなる

といった問題につながることがあります。

どうすればいいの?

①運動を取り入れる

体幹を鍛えるために、日常の中で簡単に取り入れられる運動を習慣にすることが効果的です。

  • ブリッジ(仰向けでお尻を持ち上げる運動)
  • バランスボールに座る
  • うつ伏せで本を読む
  • 四つ這いで歩く遊び
  • ボールを使った運動(例えば、キャッチボールやサッカー)
  • トランポリンで跳ぶ

これらの運動は、自然と体幹を使うため、無理なく筋力をつけることができます。

②環境を整える

学習環境を工夫することで、座り続ける負担を減らすことができます。

  • 椅子にクッションを置く
  • 足が床につくように踏み台を使う
  • 姿勢をサポートする椅子や机を活用する
  • 机の高さを適切に調整する

特に足がしっかり床につかないと姿勢が崩れやすいため、足元の環境調整は重要です。

③こまめな休憩をとる

長時間座り続けることが難しい場合、短い学習時間と休憩を繰り返す方法が有効です。

  • 20分集中 → 5分休憩 → 20分集中
  • 休憩時間にストレッチや軽い運動を取り入れる
  • 立って作業する時間を設ける

このように「学習+運動」を組み合わせることで、体幹の負担を減らしながら集中しやすくなります。

保護者の方へ

「うちの子は集中力がない…」と思われることがあるかもしれませんが、実は体の機能が関係していることも少なくありません。

大切なのは、「なぜ座っていられないのか?」を考えることです。「頑張らせる」のではなく、「どうすれば楽に座れるようになるか?」に視点を変えることで、お子さんの負担が減り、自信につながります。

また、「運動=勉強の妨げ」と考えがちですが、実は適度な運動は学習の質を高めることにもつながります。

お子さんが快適に学習できる環境を一緒に整えていきましょう。

こども発達LABO.の知見を活かした学習支援

今後、寺子屋ゆずでは、こども発達LABOの知見を活かし、体の発達や課題と学習の関係について積極的に発信し、より良い学習支援につなげていきたいと考えています。

理学療法士の西村猛(私)も、この取り組みに参画し、体の発達に関する情報提供や学習環境の工夫について発信していく予定ですので、どうぞよろしくお願いします!


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