【ゆずで変わった子どもたち】「宿題を見るとバトル」だったお子さんが変わった理由(Aくんの物語) 

「宿題を見ているとバトルになります」 

体験授業で、保護者の方からよく聞く言葉です。 

やらなければいけないことは分かっている。 

でも焦ってしまい、うまく進まない。 

大人はつい 「もっと頑張りなさい」 「早くしなさい」 と言ってしまいます。 

けれど、子どもが伸びない理由は、努力不足ではないことも多いのです。 

関わり方が合っていないだけ、ということが多くあります。


今回は、焦りが強く「宿題バトル」が起きていたAくんが、関わり方を変えることで大きく変化した寺子屋ゆずの事例をご紹介します。 

最初のご相談 

「宿題を見ると、親子でバトルになります」 

Aくんが寺子屋ゆずに来られたきっかけは、体験授業で保護者の方が話してくださった一言でした。 

 

勉強が嫌いというわけではない。 

やらなければいけないことも分かっている。 

それでも、いざ宿題を始めると焦ってしまい、思うように進まずイライラしてしまう。 


保護者の方も「早くしなさい」「ちゃんと考えて」と声をかけるうちに、気づけばお互いに感情的になってしまうことが増えていたそうです。 

体験授業でAくんの様子を見ていると、いくつか特徴が見えてきました。 

  • 「やらなければ」という気持ちが強い 
  • 急ごうとするほどミスが増える 
  • 焦りが出ると集中が続きにくい 

こうした状態は、決して珍しいことではありません。 


特に焦りやすいタイプの子どもは、頑張ろうとするほど空回りしてしまうことがあります。 

私たちはまず、「もっと頑張らせる」ことよりも、どうすればAくんが落ち着いて力を発揮できるかを考えることから始めました。 

Aくんのこと

Aくんの様子を見ていると、「やる気がない」という印象はまったくありませんでした。 むしろその逆で、「ちゃんとやらなければ」という気持ちがとても強いお子さんでした。 

ただ、その気持ちが強いからこそ、焦りにつながっているようにも見えました。 


例えば問題に取り組むときも、ゆっくり考える前に次の行動に進もうとします。

「早く終わらせないといけない」という意識が強く、結果としてミスが増えてしまう→ミスが増えるとさらに焦る→焦るとまたミスが出る。 

そんな循環が起きているようでした。 


また、Aくんには、

  • 気持ちの切り替えが早い 
  • 集中の波がある 
  • スピードを求められるとプレッシャーを感じやすい 

といった特徴も見られました。 

実際、通塾当初は頻繁にトイレに向かう姿も見受けられました。 


こうした特性がある子どもに対して、「急いで」「早く」と声をかけると、かえって力を発揮しにくくなることがあります。 

私たちは、Aくんに必要なのはさらにスピードを上げることではないと考えました。 

むしろ大切なのは、安心して取り組めるペースを整えることでした。 

寺子屋ゆずでの関わり方〜スピードを上げないという選択〜

Aくんの様子を見て、私たちがまず考えたのは、「もっと頑張らせる」ことではありませんでした。 

むしろ、その逆です。 

焦りが強く出ているときほど、スピードを上げない関わり方を意識しました。 


子どもが焦っているとき、大人はつい「急いで」「次いこう」と声をかけてしまいがちです。 

けれど、それがさらに焦りを強めてしまうこともあります。 


そこで、講師と話し合い、関わり方を少し変えました。Aくんが焦り始めたときほど、 

  • 講師は急がせない 
  • 問題に取り組むペースをあえてゆっくりにする 
  • 落ち着いて考える時間をつくる 

という関わり方を大切にしました。 

大人が焦りにつられないこと。そして、落ち着いたペースを保つこと。 

一見すると遠回りに見えるかもしれません。

でも、焦りやすい子どもにとっては、 

安心して取り組めるリズムをつくることが何より大切です。 

この関わり方を続けていくと、Aくんの様子に少しずつ変化が見られるようになりました。 

起きた変化〜本来の力が発揮されるように〜

関わり方を変えてから、Aくんの様子は少しずつ変わっていきました。 

まず見えてきたのは、集中の安定です。 

これまでは焦って次の問題に進もうとすることが多かったのですが、落ち着いて問題に取り組める時間が増えていきました。 

すると、自然とケアレスミスも減っていきました。

授業中トイレに立つこともなく45分間集中して取り組める日が増えていきました。 

急いでいるときには見落としていた部分にも、しっかり目が向くようになったのです。 


そして、学校のテストで変化が表れました。 

最初は、一桁の点数だったのですが、それが少しずつ上がり、やがて満点に近い点数を取れることが増えてきたのです。 


ある日、Aくんは教室に入るなり、誇らしげな表情でこう言いました。


テスト、90点だった!」 


その声を聞いて、教室にいた講師たちが一斉に声をかけます。 

「すごいね!」 「頑張ったね!」 

Aくんは少し照れながらも、とても嬉しそうでした。 


最初は「宿題を見るとバトルになります」と言われていたAくん。 

でも今では、自分から結果を報告してくれるようになりました。 


点数が変わっただけではありません。 

Aくんの中で、「自分はできるかもしれない」という感覚が育ってきているように感じます。 

Aくんの事例から見えること 

Aくんの変化を振り返ると、「テストの点数が上がったこと」が一番の出来事のように見えるかもしれません。 

もちろん、努力が結果につながったことは嬉しいことです。 


でも、私たちが本当に大切だと感じているのは、点数そのものではありません。 

Aくんが自分から「テスト〇〇点だった!」と教えてくれるようになったこと。 

少し誇らしそうな表情で、結果を報告してくれるようになったこと。 

そこに、Aくんの大きな変化がありました。 


最初は、焦りながら勉強していたAくん。 

「早くしなければ」という気持ちに追われていました。 

でも今は、落ち着いて問題に向き合い、自分の力で取り組めるようになっています。 

テストの点数が上がったのは、その結果としてついてきたものです。 


子どもが伸びるとき、大きく変わるのは「能力」よりも、自分はできるかもしれないという感覚なのかもしれません。 


寺子屋ゆずでは、その子が本来持っている力を発揮できるように、関わり方と環境を整えることを大切にしています。 

Aくんの変化も、その積み重ねの中で生まれたものだと感じています。