学校での困りごとがあれば「保育所等訪問支援事業」を活用しよう!学校の先生と一緒にお子さんが過ごしやすくなる工夫をすれば、お子さんが持っている最大の力が発揮されます

こんにちは。
寺子屋ゆず教室長・言語聴覚士の西村千織です。

私は、寺子屋ゆずの教室長のほかに、公費療育事業所の「発達支援ゆず」で、保育所等訪問支援事業にも携わっています。

保育所等訪問支援事業は、公費療育事業所の一つで、保育所、幼稚園、学校など、お子様の生活場面に訪問させていただき、現場でのお困りごとを先生方と共有し、お子様が過ごしやすくなる方法を先生方と一緒に考えていくというものです(受給者証を使った療育サービスの一つです)。

この連携がうまくいくと、お子さんの持っている力が最大限に発揮され、集団場面でも過ごしやすくすることにつながります(このように素晴らしい制度ではあるのですが、放課後等デイサービス事業所などと比べ実施している事業所が少ないのが現状です)。


現場でのお困りごとは、実はお子さんからのSOSのサインでもあるのです。

例えば、授業中、椅子に座りにくいお子さんの場合で考えてみましょう。

先生や大人から見ると、「落ち着きがない、困った子」と捉えられるかもしれませんが、実は「お子さん自身も困っている」ことがあります。

つまり、お子さん自身も「じっと座りたいけど、座れない」という悩みを持っているのです(もちろんお子さんからはそのような言葉は発信されませんが)。

例えば、

  • じっとすることで体の感覚が分かりにくくなる(という特性がある)ので、確認するために動いてしまう。
  • 授業の内容が分かりにくいため、退屈になってその場から離れようとする。
  • 廊下に人が通ったり、校庭で他児がいるのが見えると、注意が移ってそちらに行ってしまう。
  • 授業内容に興味・関心を持てないため、他に面白そうなことを探しに行きたくなる。

といったお子さんなりの「困りごと(ヘルプサイン)」があります。


これらのことに大人が気づいてあげられないと、「やる気がない子だな」と判断されてしまい、「我慢しなさい」という間違った指導になってしまいます。

ですが、上記のような視点で「お子さんの特性や気持ちに立って考えてみる」と、自ずと手立てが見つかります。


手立ての例としては、授業の後半になると離席が目立つような場合は、授業の半ばにプリントを配る係をしてもらうといった役割を与えるなどが良いでしょう。

プリントを配る間は、注意されることなく(係なので堂々と)教室内を歩き回ることができます(動き刺激を体にいれることができます)。

動くことでお子さん自信の気持ちがすっきりすることにつながるので、また落ち着いて座ることができるようになります。

それだけでなく、先生から「背筋ピン!」「じっとして!」と声をかけられるよりも、プリント配り終えたあとに「助かったよ。ありがとう」と声をかけられるほうが、より気分よく着席できるでしょう。

お子さんによっては、「役割を与えてもらった」ということが、自信に繋がる場合もあります。


このように、お子さんの困りごとを見つけ、具体的な手立てを講じていくことが、保育所等訪問支援事業の役割です(単に様子を見に行く、というものではないのです)。


もし、お子さんの学校での困りごとについて、担任の先生から聞いておられる保護者の方がおられましたら、保育所等訪問支援事業の利用を検討してみてはいかがでしょうか。


なお、寺子屋ゆずをご利用のお子さんで、ご希望をくださった方には、私言語聴覚士西村千織がお子さんの通う学校等に訪問させていただきますので、いつでもお声掛けください。

公費事業のため受給者証が必要となります

訪問支援事業を利用するには、放課後等デイサービス事業を利用する際と同様に、訪問支援の受給者証を役所に発行してもらう必要があります。

また、弊所の公費事業所「発達支援ゆず」での訪問支援に係るご契約が必要となります。

詳細は個別にご案内いたします。