
こんにちは。寺子屋ゆず理学療法士の西村猛です。
私はこれまで、NHK「あさイチ」などのメディア出演や、全国の保育士・教諭・保護者向けの講演を通して、子どもの姿勢や運動発達についてお伝えしてきました。
著書『寝る前10秒 子どもの姿勢ピン!ポーズ』(主婦の友社)も、第3版となっています。
そんな姿勢と運動発達の専門家として、今回は「学習のつまずきと運動発達の関係」についてお伝えします。
「やる気がない」と叱る前に、ちょっと待って
「うちの子、すぐ勉強中に姿勢が崩れる」
「椅子に座ってもすぐ立ち上がる」
「集中力が続かない」
こんなお悩みをお持ちの保護者の方は、とても多いです。
そしてつい、「やる気がないからだ」「怠けているからだ」と思ってしまいませんか?
でも実は、それはやる気や性格の問題ではなく、体の発達の問題である可能性があります。
理学療法士として34年間、子どもたちの体と向き合ってきた私が、その理由をわかりやすくお伝えします。
体幹の弱さが、学習のつまずきにつながることがあります
少し想像してみてください。
あなたが筋肉痛でフラフラの状態で、長時間椅子に座って勉強しろと言われたら、どうでしょうか?
頭に何も入ってこないですよね。
子どもたちの中には、体幹(お腹や背中まわりの筋肉)が十分に発達していないために、椅子に座り続けること自体がとても疲れる、というお子さんがいます。
体幹が弱いと、以下のような現象がみられます。
- 正しい姿勢を保てず、すぐに崩れる
- 姿勢を保つだけで体力を消耗し、肝心の勉強に集中できない
- 疲れやすいため、離席・ぼんやりが増える
このように、姿勢の崩れは、集中力の崩れと直結しているのです。
「不器用な子」は、学習にもつまずきやすい
運動発達のつまずきは、姿勢だけではありません。
「発達性協調運動障害(DCD)」という言葉をご存じでしょうか。
これは、体の動きをうまく協調させることが苦手な状態のことで、発達障害のあるお子さんにも多く見られます。
DCDのあるお子さんは、こんな様子が見られることがあります。
- 鉛筆をうまく持てない・字を書くのを極端に嫌がる
- はさみや定規の使い方がぎこちない
- 縄跳び・スキップ・ボール投げが苦手
- 「不器用」とよく言われる
手先の不器用さは、実は脳の運動処理の発達と深くつながっています。
そしてその脳の処理は、読む・書く・計算するといった学習にも影響を及ぼします。
「勉強が苦手」の陰に、こうした運動発達のつまずきが隠れていることは、決して珍しくないのです。
こんなサインはありませんか?(保護者向けチェックリスト)
以下の項目に当てはまるものがあれば、お子さんの運動発達に目を向けてみる価値があるかもしれません。
- 勉強中にすぐ姿勢が崩れる、頬杖をつく、寝転ぶ
- 椅子に座っていられず、すぐ立ち上がる
- 鉛筆の持ち方が安定しない、書くことを嫌がる
- 縄跳び・スキップ・ボール投げが苦手
- 長時間歩くと疲れやすい、体力がない印象がある
- 「不器用だね」と言われたことがある
なぜ普通の学習塾では、根本的な解決が難しいのか
多くの学習塾は「どう教えるか」を工夫してくれます。それはとても大切なことです。
しかし、「なぜこの子は学習につまずいているのか」という根本的な原因を、体の発達の視点から評価できる塾は、ほとんど存在しません。
体幹の弱さなのか、手先の協調運動の未発達なのか、感覚の処理の問題なのか。
こうした「体からくる学習のつまずき」を見極めるには、理学療法士や言語聴覚士といったリハビリの専門家の目が必要です。
いくら丁寧に教えても、体の土台が整っていなければ、学習はなかなか積み上がっていきません。
まずは「体のサイン」に気づくところから
ここまでお話ししてきたように、学習中の姿勢の崩れや「集中できない」「すぐ立ち歩く」といった様子の背景には、体幹の弱さや運動発達のつまずきが隠れていることがあります。
それは決して「やる気がない」「怠けている」といった性格の問題ではなく、お子さんからの「しんどいよ」という体のサインかもしれません。
まずは、日々の勉強の様子の中で、今回ご紹介したようなサインがないか、観察してみてください。
寺子屋ゆずでは、必要に応じて理学療法士が学習中の様子を確認し、体幹や姿勢、運動発達のつまずきが学習に影響していないかを評価し、その結果を授業の中での声かけや環境調整に生かしています。
「勉強しているといつも姿勢が崩れる」「じっと座っていられない」といったお悩みがあれば、ひとりで抱え込まず、一度ご相談ください。
お子さんの「なんでうまくいかないんだろう?」を、体の視点から一緒にひもといていければと思います。
寺子屋ゆず‐学びに困り感のある子どものための個別学習塾 
