発達障害があるお子さんの、学習中の姿勢が崩れる理由と手立てのコツ

学習中に机に向かって座る子どもの姿勢が崩れる様子が見られたり、離席してしまうなどの様子が見られることはないでしょうか?

これは、自閉症スペクトラムなど発達障害のあるお子さんのみならず、保育園や幼稚園、小学校でも先生方からもよく伺うお悩み事です。

この姿勢の崩れや離席の理由としては、一見やる気や努力の問題のように見えますが、実はその背後には体幹筋などの持久力の問題が潜んでいることがあります。

体幹筋の持久力が弱いお子さんは、長時間同じ姿勢を保つことが難しく、疲れやすくなります。そのため、子どもたちは座っていることが難しくなり、動き回ったり、寝転んだりしてしまうのです。

姿勢の崩れは疲労のサイン

子どもが椅子から降りて動いたり、寝転んだりすることは、疲れているサインでもあるのです。

頬杖をつく、足を組む、背もたれにより掛かるようにして座る、片足を座面に上げる、離席する、床に寝転ぶなど、これらはすべて「休憩している」ことにほかなりません。

その中で床に寝転ぶといった行動が見られる場合は、強い疲労感を感じていることが予想されます。

大人でもそうだと思いますが、長い時間学習に集中するためには、体の疲労がない状態であることが前提条件です。

そのため、もしお子さんが上記の様な姿勢や動きが見られた場合、疲れがピークに達している可能性があります。

やる気や努力の問題ではない

一般的に姿勢が崩れると、「気持ちが入っていない」「やる気がない」といった気持ちや努力の問題として捉えられることが多いと思いますが、実はそうではありません。

体が疲れているために、集中力を維持することが難しくなっているため、「仕方なく」姿勢が崩れたり、寝転がったりしているのです。

そのため、私たち大人は「ちゃんとしなさい!」「頑張りなさい!」「やる気を出しなさい!」といった声掛けをするのでなく、効果的な手立てを講じて上げる必要があります。

持久力を育てるアプローチが効果的

学習中の姿勢のに対処するには、叱るのではなく、持久力を育てる取り組みが効果的です。

定期的な運動や屋外活動、公園遊びなど体幹筋を使う機会を増やすことで、子どもの持久力を高めることができます。

また、椅子の高さを子どもの身長に合ったものに調整してあげる、運動や活動、あるいは勉強の最中に適宜休憩を入れて上げることがポイントです。

持久力の成長には数ヶ月程度の時間を要しますが、もしお子さんの持久力が育ってきたなら、椅子に座る姿勢が改善したり、頬杖をついたり足を組む頻度が減ったり、床に寝転ぶような動きが少なくなっているはずです。

持久力が高まると、机に向かいやすくなるため、それが「長い時間、正しい姿勢で勉強する」ことにつながり、結果的に学習効果が高まることにつながります。

まとめ

子どもの学習中の姿勢の崩れや離席は、やる気や努力の問題ではなく、体が疲れていること(体幹の持久力が弱いこと)が原因です。

屋外あそびや活動を通して、体幹の持久力を育てる取り組みを積極的に行うことで、学習中の姿勢の崩れを改善し、ひいては学習力向上につなげることができます。


寺子屋ゆずでは、お子さんの姿勢や運動面など身体的な課題についても適切に評価を行い、正しい姿勢が取れるような工夫を行うなど、学習面以外への手立ても行っていきます。


「勉強をしているといつも姿勢が崩れる」といったお悩みをお持ちの保護者の方がおられましたら、初回面談の際にお知らせください。

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