遊びは学習の土台を作る〜遊びを通して数学・算数の基礎を学ぶ〜

子どもの遊びは、子どもの体や言葉・心を育てる効果があります。

もちろん、学習の基礎作りにおいても、遊びは重要な意味を持ちます。

数学を学ぶことは、単に計算や図形認知などに対する回答力が向上するだけではなく、論理的に考える力、つまり思考力を高くすることにつながります。

お子さんの生活においての思考力とは、「状況を分析し、解決までの道筋を考えること」だと言えます。

これらは、決して結論ありきではなく、答えを自分で見つけ出すことに意味があります。

少し壮大なテーマで語るなら、思考力があるということは、解のない問題に直面したときに、自分の頭で考え、自分なりの答えを見つけ出す力につながると言えます。


そのため、数学を学ぶことは、「生きていく力」を育てることにつながると言えます。


しかし特性のあるお子さんの中には、苦手意識や自信のなさから、できる問題であっても避けようとしたり、自分なりに「しなくてもよい理由を考える(言い訳を考える)」ことも多くあります。

そういったお子さんの場合は、数学に正面から向かわせるのではなく、遊びの中で数学的思考(算数や数学を学習するための基礎)を学んでいただくのが最も負担が少ない方法です。

そこでこの記事では、子どもの遊びを通じて数学的思考を深める方法について、具体例を挙げながらご紹介します。

ブロック遊びでの数学的思考

ブロックは、数学的な概念を直感的に理解するのに最適な道具の一つです。

例えば、異なる形やサイズのブロックを組み合わせて塔や建物を建てる遊びは、数学的な思考を養います。

子どもはブロックの形やサイズを比較し、整列させたり、重ねたりすることで、数学的な概念や関係性を感覚的に理解していきます。


また、ブロックを使ってパターンを作ったり、対称性を探ったりすることも効果的な遊び方です。

例えば、赤青赤青という色のパターンを作ったり、対称的な形を組み立てたりすることで、子どもは数学的なパターンや対称性について学びます。


大人が子どものブロック遊びに参加し、上手く課題を提示してあげることができれば、ブロック遊びを通してお子さんの数学的思考を深めることにつなげることができます。

パズル遊びでの数学的思考

パズルは、論理的思考や問題解決能力を鍛えるのに最適な遊びの一つです。

特に、形やパターンを組み合わせるジグソーパズルは、数学的な思考を深めるのに効果的です。

子どもはパズルのピースを見比べて形やサイズを比較し、正しい配置を見つけるために試行錯誤します。

試行錯誤は、思考を伴うため「多方面から物事見る」ことにもつながります。自閉症スペクトラムのお子さんは、単一的な視点で状況を見ることが多いため、パズル遊びをすることで客観的な視点などの基礎を育てることにもつながります。

このとき、お子さんのレベルに合った難易度のパズルを提供する必要があります。

つまりお子さんにとって、難し過ぎず・簡単過ぎずといった段階のパズルを選ぶことがポイントです。

数を数える遊びでの数学的思考

ブロックやビーズ、おもちゃなどを数えることで、数の概念や数の順序を理解することにつなげられます。

また数を数える遊びは、足す・引くなどの数学の基本的な概念を学ぶことにも役立ちます。


さらに、数を数える遊びは、数のパターンや関係性を学ばせることにつながります。

例えば、2つずつ数えるときのパターンや、10進法の基本的な構造を理解することは、区切りやまとまりを理解するといった効果が期待できます。

そのために大人ができることは、お子さんにとって負担のない数遊びを提供する(見極める)ことがポイントになります。

まとめ

子どもの遊びは、数学的な思考を深めるのに非常に重要です。

ブロック遊びやパズル遊び、数を数える遊びなど、さまざまな遊びを通じて子どもは数学的な概念やスキルを習得します。

大人が子どもたちの遊びをサポートし、数学的な思考を促進するための環境や機会を上手く提供することができれば、「遊びながらも数学的な思考を体験することができる」といった効果が期待できます。


ぜひお子さんの興味関心なものを上手く使う中で、数学の土台を作っていってあげましょう。

寺子屋ゆずでは、ご見学時に言語聴覚士がお子さんの特性について医学的観点から評価を行い、負担の少ない(モチベーションが下がらない)課題の提供の仕方について、保護者の方のご意向を伺いながらご提案していきます。

※寺子屋ゆずは、2024年4月に神戸市東灘区に開塾予定です。

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